Novatec F372SBハブの分解およびベアリングのグリスアップ方法(完全版)

中国Aliexpressから輸入したカーボンホイールに採用されていたNovatecハブだが、車体から異音がする原因を潰していく過程で後輪が残ったので、夏休みついでに分解清掃およびグリスアップを実施してみた。

ネットで色々な分解手順が掲載されているのだが、どうもリビジョンが違うのか、手元のハブには当てはまらないものがあり、またフリーボディ内の2つのベアリングを叩き出す方法も詳説したブログは存在しないようなので、以下に書き記しておく。

1. ホイールのみの状態でクイックを外し、左右のエンドキャップを外す。
この際、両側に5mmのアーレンキーを差し込むという記事があったのだが、手元のハブは
フリー側のみ5mmアーレンキーを挿すことができた。
そこで、まずは反フリー側のキャップに17mmの薄型スパナをかまして外す。

2. 次にフリー側のキャップの外し方であるが、5mmアーレンキーを差し込んで固定し、
17mmの薄型スパナをフリー側にかけて反時計回りに回して外す。

3. フリーボディーを外す。通常はスッと手で抜けるはずだが、雨天時走行を繰り返したホイールの場合、
固着していて全く動かなかった。
そこで反フリー側からシャフト軸をゴムハンマーで打突し、フリーを抜くことができた。
案の定、ものすごい錆が生じていた。

4. 次に反フリー側の6001ベアリングを抜く。シャフトを構えて適当にゴムハンマーで打突すると外れるはずだ。

5. フリーの爪と固定リングを取り、錆を取る。
ゴム製のダストキャップをマイナスドライバーなどでこじり取ると、外側の6901ベアリングが見えてくる。
フリーボディーの底面側から適当なシャフトを挿入し、外側のベアリングのつばのところを均等に打突して叩き出す。
今回は、カインズホームで購入したユニクロメッキのM8 x 150mmのボルトを利用した。
ベアリングを外すと、スペーサーも抜けてくる。

6. そして今回の最難関、フリーボディー底面側の6901ベアリングである。
これの叩き出し方だが、よく見るとベアリングの手前にカニの目玉のような輪っかがついた金属製の
スナップリング(Cリング?)がはまっており、そのまま叩き出すとベアリングが傷ついていくだけである。
そこで、まずは1mmアーレンキーでフリーボディー側面のイモネジを除去してから、
この輪っかの目玉の部分をプライヤーなどでつかみ、強引にこじり出す。
かなりの力が必要だが、根気よくやると外れる。

7. 最後にシャフトなどを活用し、ゴムハンマーで底面側から打突すると、底面側の6901ベアリングを抜き出すことができる。

あとはベアリングのシールを慎重に開封してパーツクリーナーで清掃後、新しいグリスを盛り、
逆の手順で圧入していく。圧入工具はホームセンターの薄型ワッシャーやM8~M10長ボルト、長ナット、
13mmソケットレンチ、ソケットエクステンダなどを総動員した。

前輪のA271SBは後輪に比べると相当簡単で、2.5mmアーレンキーでイモネジを除去し、エンドキャップを外し、
シャフトをゴムハンマーで打突してベアリングを叩き出す。
グリスアップを終えたら、まずは片方のベアリングを圧入してからシャフトを入れ、ベアリングを仮止めし、
丁寧に圧入していく。今回はM8長ボルトの頭部を活用して圧入した。回転をチェックしてスルスルと回ればOKだ。